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【医師監修】季節の変わり目はなぜ体調管理が難しい?アーユルヴェーダの「季節の養生」から考える秋の過ごし方

医師監修 アーユルヴェーダに学ぶ秋の過ごし方 ミッシーリスト MISHIILIST

監修:医師 上馬場 和夫先生

過ごしやすいようで、毎日・1日の中でも気温の変動、湿度の変動の激しいのが「季節の変わり目」。

「昨日は暑かったのに、今日は急に涼しい」

「朝晩は涼しいのに、昼間はまだ夏のように暑い」

「何を着ればいいのか分からない」

そんな日が増えてきます。実際に今年も予測の難しい日々の気温・湿度、そしてお天気。

夏から秋へ向かう季節の変わり目は、気温だけでなく、湿度や日照時間、服装、冷房の使い方など、生活を取り巻く環境も少しずつ変化していく時期です。

だからこそ、

「もう秋だから温かくしよう」

「まだ暑いから夏と同じでいい」

と一律に考えるのではなく、その日の環境に合わせて少しずつ生活を調整していくことが大切です。

実は、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダにも、季節に合わせて食事や生活習慣を変えていく考え方があります。

それが、

「リトゥチャリヤ(Ritucharya)」=季節の養生

です。

今回は、アーユルヴェーダの季節の考え方を参考にしながら、残暑から秋へ向かう時期を心地よく過ごすための生活習慣について、医師監修のもとご紹介していきます。

医師監修 ミッシーリスト アーユルヴェーダの季節の考え方
目次

アーユルヴェーダとは?

アーユルヴェーダは、インドで古くから受け継がれてきた伝統医学です。

「Ayus(生命・寿命)」と「Veda(知識・学問)」という言葉に由来するとされ、食事や睡眠、運動、日々の過ごし方などを含め、生活全体を整えていく考え方を大切にしています。

特徴的なのは、

「体調が悪くなってから何かをする」だけではなく、普段の生活を整えることを重視する

という点です。

その一つとして考えられているのが、

「一日の過ごし方」を意味するディナチャリヤと、

「季節に応じた過ごし方」を意味するリトゥチャリヤです。

ただし、アーユルヴェーダは伝統医学であり、そのすべてが現代医学によって科学的に証明されているわけではありません。

この記事では、治療法としてではなく、

季節の変化に合わせて生活を見直すための一つの考え方

としてご紹介します。

「リトゥチャリヤ」とは?季節に合わせて暮らしを変える考え方

アーユルヴェーダでは、一年を通して同じ食事や同じ生活をするのではなく、季節の特徴に合わせて過ごし方を調整する「リトゥチャリヤ」という考え方があります。

季節が変われば、

気温
湿度
日の長さ
風
食べ物
活動量

なども変わります。

そのため、人の生活も同じように変化させていくという考え方です。

例えば、

暑い季節には暑さを考慮した過ごし方を。

寒い季節には冷えを考慮した過ごし方を。

乾燥しやすい季節には乾燥を意識した生活を。

つまり、

「一年中同じ健康法を続ける」のではなく、「今の季節に合っているか」を考える

ことが、リトゥチャリヤの基本的な考え方です。

実は「季節の境目」をどう過ごすかも大切

夏から秋へ変わるといっても、ある日突然気候が切り替わるわけではありません。

9月は特に、

暑い
↓
少し涼しい
↓
また暑い
↓
朝晩だけ冷える

という変化を繰り返しながら秋へ向かっていきます。

こうした時期に、

「9月になったから夏の生活を全部やめる」

必要はありません。

むしろ、急に生活を切り替えるよりも、

その日の気温や体感を見ながら少しずつ秋仕様へ変えていく

方が現実的です。

これは現代の日本でアーユルヴェーダの考え方を取り入れる際にも、大切にしたいポイントです。

9月は「暦」ではなく「今日の気候」を見る

医師監修 ミッシーリスト 秋の過ごしやすい気候

ここで一つ、秋の養生で意識したいことがあります。

それは、

カレンダーだけで判断しないこと。

「9月だから長袖」

「秋だから温かい飲み物」

と決めてしまうと、30℃を超える日にはかえって負担になることもあります。

反対に、

「まだ9月だから夏」

と思って薄着のままでいると、急に気温が下がった日に寒く感じることがあります。

おすすめなのは、朝に天気予報を見るとき、

最高気温だけでなく、

最低気温と一日の気温差も確認すること。

例えば、

最高気温30℃
最低気温20℃

なら、日中は半袖でも朝晩は羽織るものが必要かもしれません。

一方で、

最高気温28℃
最低気温25℃

なら、まだ夏に近い服装でも過ごしやすい場合があります。

「何月か」よりも、

今日どんな環境で過ごすのか

を見る習慣をつけると、季節の変わり目の服装選びもしやすくなります。

秋の始まりは「温めすぎない温活」を

医師監修 ミッシーリスト シルクレッグウォーマー

温活というと、「1年中」というよりも、冷えや寒さを感じる季節にしかなかなか意識しないかもしれません。

しかし、最近では「1年中の温活」「毎日の温活」など、温活への意識も少し高まってきている印象です。

季節の変わり目では、

「今日は暑いけれど、オフィスでは冷房が寒い」

「昼間は半袖でちょうどいいのに、夜になると足元が冷える」

など、部分的に冷えを感じることがあります。

そんなときに全身を厚着してしまうと、日中に暑くなりすぎてしまいます。

そこで秋の始まりは、

全身を温めるのではなく、冷えを感じる場所だけ調整する

という「部分温活」が取り入れやすい方法です。

例えば、

お腹だけ薄手の腹巻きで覆う。

足元だけレッグウォーマーを使う。

首元だけストールをプラスする。

朝晩だけ羽織りものを使う。

こうした方法なら、暑くなれば簡単に外すこともできます。

温活は、

「我慢して温めること」ではなく、「暑すぎず冷やしすぎず、自分にとって心地よい状態をつくること」

と考えてみるとよいでしょう。

医師監修 ミッシーリスト シルク腹巻をシルクネックウォーマーとして

秋の食事は「冷たいものを全部やめる」必要はない

夏の間、

冷たい飲み物
アイスコーヒー
冷たい麺類
アイスクリーム

などをよく口にしていた方も多いのではないでしょうか。

秋になると、

「冷たいものは全部やめた方がいいの?」

と思うこともあるかもしれません。

しかし、9月はまだ暑い日もあります。

無理にすべてを温かいものへ切り替える必要はありません。

例えば、

朝だけ温かい飲み物にする。

夕食では温かい汁物を一品加える。

冷たい飲み物だけを一日中飲み続けない。

など、

少しずつ季節に合わせて変えていく

くらいでも十分です。

これも「季節に合わせて生活を変える」というリトゥチャリヤの考え方と通じます。

医師監修 ミッシーリスト 秋の食事

9月こそ見直したい「湯船につかる習慣」

医師監修 ミッシーリスト 湯舟につかる習慣

暑い季節は、

「シャワーだけで済ませたい」

という日が多くなりがちです。

しかし、9月になると、冷房を使う時間が残っている一方、夕方や夜は少し涼しくなってきます。

そんな時期だからこそ、

入浴時間を生活の切り替えとして活用する

のも一つの方法です。

熱いお湯に長時間入る必要はありません。

暑い日はぬるめのお湯に短時間つかるなど、その日の体調や気温に合わせて調整しましょう。

湯船につかることで、

「今日は一日中冷房の中にいたな」

「今日は外を歩いて暑かったな」

と、自分の体感を確認するきっかけにもなります。

季節の養生では、

「何をすれば正解か」

だけでなく、

自分が今どう感じているかを知ること

も大切です。

朝・昼・夜で過ごし方を変えてみる

一日の中でも気温差が大きい9月は、

「一日中同じ服装・同じ温活」

にこだわらなくても構いません。

朝

朝は空気が涼しく感じる日が増えてきます。

薄手の羽織りものを準備したり、温かい飲み物を選んだりしながら、日中暑くなったら調整できるようにしておきましょう。

昼

昼間はまだ残暑が続く時期です。

暑い日は無理に温活をせず、熱中症対策や水分補給を優先します。

エアコンも必要に応じて使いましょう。

夜

日が落ちると気温が下がる日も増えてきます。

湯船につかったり、冷えを感じる部分を薄手の衣類で覆ったりしながら、一日の終わりをゆったり過ごす時間をつくります。

このように、

時間帯ごとに過ごし方を少し変える

のも、現代の生活に取り入れやすい「季節の養生」です。

秋の養生は「何かを足す」だけではない

健康習慣というと、

「新しいことを始める」

「健康食品を取り入れる」

「運動を増やす」

といった“プラスすること”を考えがちです。

ですが季節の変わり目は、

夏に続けていた習慣を少し減らす

という考え方もあります。

例えば、

夜遅くまで冷たい飲み物を飲む。

寝る直前までスマートフォンを見る。

冷房を真夏と同じ設定のまま使う。

薄着のまま夜まで過ごす。

こうした夏の習慣が、本当に今の気候に合っているか、一度確認してみる。

それだけでも季節の変化に合わせた生活になります。

「体調を整えなきゃ」と頑張りすぎない

季節の変わり目になると、

「体調を崩さないようにしなきゃ」

「温活をしっかりしなきゃ」

と頑張りすぎてしまう方もいます。

ですが、生活習慣は続けられることが大切です。

毎日完璧な食事をする。

毎日長時間入浴する。

必ず運動する。

といったルールを作りすぎる必要はありません。

例えば、

今日は少し早く寝る。

今日は湯船につかる。

今日は冷房が寒いから腹巻きを使う。

今日は暑いから何もしない。

そのくらい柔軟でもよいのです。

季節だけでなく、その日の自分に合わせて選ぶ。

これも、季節の変わり目を心地よく過ごすために大切な考え方です。

温活アドバイザーとして意識している「小さく変える」こと

私自身も、9月になったからといって、ある日から突然秋仕様の生活に変えるわけではありません。

まだ暑い日は冷房も使いますし、半袖で過ごす日もあります。

一方で、

熱いではないけど湯船につかる。その日の気温や体の調子を見て、湯舟の温度を変えてみる。

冷房の効いた場所ではお腹を冷やしすぎないようにする。

就寝中は冷えないようにパジャマに気を使ってみる。

朝晩だけ羽織りものを使う。

といったように、

小さなところから少しずつ変える

ことを意識しています。

季節の変わり目の温活は、

「冬と同じように温める」

ことではありません。

今の気候と自分の体感の“間”を調整すること。

私はこれが、秋の始まりには特に大切だと感じています。

まとめ|秋の始まりは「季節に合わせて少しずつ」がポイント

アーユルヴェーダには、季節に応じて食事や生活習慣を調整する「リトゥチャリヤ」という考え方があります。

現代の日本でそのまま同じ方法を実践する必要はありません。

大切なのは、

「季節が変われば、暮らし方も少しずつ変えてみる」

という考え方です。

特に9月は、

・暑い日と涼しい日が混在する
・一日の寒暖差が大きくなる
・冷房を使う日と使わない日がある
・朝晩だけ秋らしくなる
・少しずつ乾燥を感じ始める

など、夏と秋が重なる時期です。

だからこそ、

最高気温だけでなく最低気温も見る。

脱ぎ着しやすい服装を選ぶ。

温めすぎない。

冷たいものから少しずつ温かいものへ。

湯船につかる時間を取り入れる。

冷えを感じるところだけ部分的に温活する。

など、

その日の気候や体感に合わせて、小さく調整すること

から始めてみてください。

本格的な秋を迎える前の9月は、

「何か特別な健康法を始める季節」

というより、

夏の習慣を見直し、秋の生活へ少しずつ切り替えていく準備期間

と考えてみるのもよいでしょう。

上馬塲 和夫

〈この記事の監修者〉

上馬塲 和夫

医師・医学博士

広島大学医学部卒業。虎の門病院、北里研究所東洋医学総合研究所などで漢方・東洋医学・統合医療の臨床・研究に従事し、日本初のマハリシ・アーユルヴェーダ認定医師としてアーユルヴェーダの普及・研究にも尽力。現在は蒲田クリニック統合医療研究所所長、虎の門病院・らいふサイエンスクリニック漢方内科外来担当医を務めるほか、日本アーユルヴェーダ協会理事長などを歴任。著書多数。

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